労働安全衛生法に基づく免許
免許を受けることができる者
事業場における労働災害の防止のため、適格者が安全衛生管理に携わり、危険有害業に従事するように、
労働安全衛生法令では各種資格制度が設けられている。
免許を受けることができる者については法令(労安法第72条)で定められている。
免許試験の区分
免許試験については、次表のとおり試験区分が定められ、指定試験機関である 公益財団法人安全衛生技術試験協会が試験を実施する( 労安則69条)。
号数 | 免 許 名 称 |
---|---|
1 | 第一種衛生管理者 |
1の2 | 第二種衛生管理者 |
2 | 高圧室内作業主任者 |
3 | ガス溶接作業主任者 |
4 | 林業架線作業主任者 |
5 | 特級ボイラー技士 |
6 | 一級ボイラー技士 |
7 | 二級ボイラー技士 |
8 | エックス線作業主任者 |
8の2 | ガンマ線透過写真撮影作業主任者 |
9 | 発破技士 |
10 | 揚貨装置運転士 |
11 | 特別ボイラー溶接士 |
12 | 普通ボイラー溶接士 |
13 | ボイラー整備士 |
14 | クレーン・デリック運転士 |
15 | 移動式クレーン運転士 |
16 | 潜水士 |
受験資格、試験科目、試験科目の免除を受けることができる者、免除科目,試験日等については、
公益財団法人安全衛生技術試験協会のホームページに記載されている。
実技試験のうち、クレーン運転士、移動式クレーン運転士、揚貨装置運転士については、都道府県労働局長の指定
教習機関の実技研修により免除される。
なお、試験結果に対する行政不服審査の申し立てはできないが、試験事務に関しては厚生労働大臣に不服申し立てを
行うことができる。(労安法111条2項)
免許証の交付、再交付、書替え、有効期間等
1 免許の申請手続きについては、安衛則第66条の3第1項~第3項で次のとおり規定されている。
ア 免許試験に合格した者で、免許を受けようとする者は、その免許試験に合格した後、遅滞なく、免許申請書 (様式第12号)をこの免許試験を行った都道府県労働局長に提出しなければならないこと(第1項)。
イ 安衛法第75条の2の指定試験機関が行う免許試験に合格した者で、免許を受けようとする者は、その免許試験 に合格した後、遅滞なく、上記アの免許申請書に安衛法第71条の2に規定する書面(合格の通知)を添えてこの 免許試験を行った指定試験機関の事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長に提出しなければならないこと (第2項)。
ウ 免許試験に合格した者以外の者で、免許を受けようとする者は、上記アの免許申請書をその者の住所を管轄 する都道府県労働局長に提出しなければならないこと(第3項)。
2 免許証の再交付又は書替えについては、安衛則第67条第1項及び第2項で次のとおり規定されている。
ア 免許に関わる業務に現に就いている者又は就こうとする者は、これを滅失し、又は損傷したときは、免許証
再交付申請書(様式題12号)をその免許証の交付を受けた都道府県労働局長又はその者の住所を管轄する都道府県
労働局長に提出し、免許証の再交付を受けなければならないこと(第1項)。
イ 上記アの者は、氏名を変更したとき(本籍、住所変更は必要ない。)は、免許証書替申請書(様式第12号)
を免許証の交付を受けた都道府県労働局長又はその者の住所を管轄する都道府県労働局長に提出し、免許証の書替え
を受けなければならない(第2項)。
免許申請・書替等の手引き
3 免許証の有効期間については、ボイラー溶接士の2年間とするものを除き定められていない。
技 能 講 習
1 作業主任者(免許を要するものを除く)や就業制限業務については、都道府県労働局長の登録教習機関が実施 する技能講習を修了した者から選任又は当該業務に就かせなければならない。
技能講習を要する業務
2 修了証は、講習実施機関より交付される。本籍、氏名の変更(住所変更は必要ない。)の場合の書替えや紛失等 の場合の再交付は登録教習機関に申請することになる。
就 業 制 限
労安法施行令第20条で定める業務に就いては、免許所有者又は技能講習修了者でなければ当該業務に就くことは できない。これは、労働の場では労働者のみならず一人親方など労安法の適用のない者も規制される。
就業制限業務
就業制限業務に従事するときは、免許証又は修了証を携帯しなければならない。
なお、特別教育の必要な業務も広義には就業制限に該当する業務である。